BNR32 GT-R改 試乗記録

乗っちまったぜ往年の32。とはいえエンジンは34のものに換装されてる個体。バケモンかと思いきや意外にも飼いならせる子だった。初めて乗った日産が改造GT-Rでいいのかという気もするが、これでいいのだ！あとそこまで強く効いてないけど4WDも初。

よかったところ

• まず乗りこみやすい。車高低すぎない。あとドアも意外と軽い。
• エンジンも排気音もびっくりするぐらい静か。もっといかついのかと思っていた。 シートの収まりも結構いい感じ。
• やっぱりモモステだね！
• メーター類がごちゃごちゃしてて楽しい。電圧計や油温計まである。アテーサE-TSついてるのでフロントトルクメーターというのもあるぞ。あと純正で速度計320㌔まであるのはさすが。
• 低速では少しかったるいけど乗りにくくはない。
• 高速では本領発揮。やはり車重もあるので一気に加速という感じではないが、伸びしろがありすぎる。220㌔くらいでも全然安定している。4WDが効いているのかと思いきや、メーターを見るかぎりそこまで仕事してない。良くも悪くも重さを利用している感じがある。
• 300㌔出せるのにまさかの5速。パターンがわかり易くてありがたい。全体的に普通の車より一段下のギアで走れる感じ。
• 発進でのエンスト予感が全くない。NDですらすこし危ないよというインフォメーションが来たが、それすらない。この辺も電子制御しているのだろうか。そういえば駐車で後退するときも不安感なかった。
• ブレーキの利きもいい。少し重めというか大き目の感じだが使いやすい。
• リアのトランクがデカい。

車種固有の問題

• 重い。とにかく重い。その重さは安定性に変換されて多大な貢献をしているが、やはり操る楽しさみたいなのは少ない。ダイレクト感というよりも制御システムを楽しむ車。技術の日産。
• シフトの入りが少し軽く、ストロークも長い。もっとグッと入ってほしい。
• アテーサE-TSの動作があまり感じられない。まあ逆にすごいのかもしれないが…
• エアコンの使い方がちょっとわかりにくい。
• ウインカーレバーがちょっと軽すぎる上に位置が少し下に偏っている。これは個体の問題かもしれない。
• キーの抜き差しがしにくい。あとひねる方向が普通の車と逆。
• 純正キーがダサい。アジアのお土産品って感じ。
• ボンネットが普通なので眺めに楽しみがない。
• パワーウインドウのスイッチが特殊なんだけどちょっと操作しにくい。
• 燃費はお察し。

個体固有の問題

• 底まで踏んでもクラッチが切れない。1速に入れるとき2回にいちどはギアにはじかれてしまうので気合い入れてギュッと差し込むしかない。多分エンジン換装の影響。
• シートの前後調整レバーが固い。
• エンジン換装車なのでボンネットの中を見たかったが、ワイヤーが切れていて開けられなかった。
• 助手席側のサイドミラーのモーターが死にそう。
• エアコンのルーバーが死にまくっている。

とにかくめちゃくちゃ重たいのだが、様々な技術を駆使してそれなりに重さを感じさせない仕様になっている。どこに不満があるかというと特に不満はでてこないのだが、ここがいいぜ！という面白みもない。何せこいつはスカイラインだしやはりGTカーなのだ。細かいコーナリングを頑張って攻めるためのスポーツカーとは違うのである（とはいえ当時レースで無双してたけど）。

外装も尖ってないし、内装も割とシックな感じ、そこそこ車高あって（2ドアだけど）一応4人乗れるし、意外に音も静かめでファミリーカーとしても使えなくはない。

とにかくこの時代とは思えない電子制御のすばらしさのおかげで、違和感なく高速で飛ばすことはできるし、低速でも運転はしやすいのだが、個人的にはちょっと微妙。悪い車ではないしむしろ名車なんだけど、買うかというとなあ。